目次
バッテリーは、電動バイクや電動キックボードを動作させるために不可欠な部品の一つです。一般的にはリチウムイオンバッテリーが使用されており、これは使い捨ての乾電池やボタン電池と異なり充電して繰り返し使える一方で、適切な取り扱いをしないと寿命が短くなり、通常より短期間で交換が必要になる場合もあります。
本記事では、リチウムイオンバッテリーとはなんなのか、どのような点に注意をして使用すればいいのかについて解説します。
リチウムイオンバッテリーについて
リチウムイオンバッテリーとは
リチウムイオンバッテリーは、充電することで繰り返し使用することができる二次電池の一種です。二次電池には他にも、ニカド電池やニッケル水素電池などいくつかの種類がありますが、リチウムイオンバッテリーならでは特徴があるので、以下に紹介します。
特徴1 コンパクトで軽い
リチウムイオンバッテリーは、他の二次電池と比べて、同じエネルギーを蓄えるのに必要な体積や重量が小さいため、スマートフォンやタブレットなどの小型の端末や、ドローンなど多くの機器で使用されています。電動バイクや電動キックボードのコンパクトさや軽さの実現にも寄与しています。
特徴2 長寿命
二次電池は、充電と放電との繰り返しにより次第に劣化していき、蓄えられるエネルギーの最大量が減っていきます。
リチウムイオンバッテリーは、他の二次電池との比較で、充放電毎の蓄えられるエネルギーの最大量の減少が小さいため、交換までの期間が長くなります。徐々に性能は落ちていくものの、電動バイクや電動キックボードを何年もバッテリー交換せずに乗り続けられるのは、この特徴のお陰といえます。
特徴3 電池残量を気にせず充電したり使ったりできる
二次電池は、例えば半分まで充電して使う、半分まで充電して使う・・・ということを繰り返していると、その状態が記憶され、いくら充電しても半分以上には充電されず、使えるエネルギーの最大量が制限されてしまうことがあります。
これをメモリー効果といい、ニカド電池やニッケル水素電池はなどで起こりやすい現象ですが、リチウムイオンバッテリーではほとんど見られません。
そのため、電動バイクや電動キックボードに乗って出かけた先で短時間だけ充電するといった、いわゆる継ぎ足し充電を気軽にできるのも、リチウムイオンバッテリーならではです。
リチウムイオンバッテリーの取扱の注意点
原則として、各メーカーのマニュアルなどに記載の取扱方法を守りましょう。推奨されていない使用方法や保管状態は、バッテリーの寿命を縮め通常よりも短期間での交換が必要になってしまったり、メーカー保証を受けられなくなってしまう場合もあります。バッテリーは部品の中でも高価な部類のため、不要な出費を抑えるためにも可能な限り適切な取り扱いを心がけましょう。
以下に、リチウムイオンバッテリーの取扱についていくつかのポイントを紹介します。
高温・低温の環境を避ける
リチウムイオンバッテリーは、高温や低温の環境下では性能の低下や劣化が急激に進行することがあります。直射日光のあたる場所や極端な温度差のある場所、氷点下の環境は避け、適切な温度で使用、保管を行う必要があります。
充電方法、充電器の使用に注意する
付属、もしくは推奨されている充電器を使用し、指定された電圧、電流で充電することが重要です。また、過充電防止の機能がついている場合も多いですが、充電器の使用方法には注意が必要です。
電動バイクのバッテリーの充電方法については、こちたの動画も参考にご覧ください。
落下などによる衝撃に注意する
バッテリーは、落下などにより衝撃が加わり破損すると、液漏れや発火などの危険性があります。持ち運び時には落とさないよう十分に注意し、充電、保管時にはできるだけ高さのある棚などは避けるようにしてください。付属でケースが付いてくる場合には是非活用しましょう。
使用しない場合は適切に保管する
バッテリーを長期間使用しない場合は、車体からバッテリーを抜き、充電状態を適切に管理し、直射日光の当たらない涼しい場所に保管することが望ましいです。
破損したバッテリーは処分する
破損したバッテリーは、電動バイクや電動キックボードの各メーカーや専門の処分業者に依頼し、適切に処分することが重要です。不適切な処分は、環境汚染や健康被害などの原因になるため、絶対に避けなければなりません。
(参考)
Panasonic「リチウムイオン電池」
経済産業省「社会に貢献するリチウムイオン蓄電池;その国内生産の動向」
一般社団法人電池工業会「なるほど電池Q&A」
まとめ
電動バイクと電動キックボードとは多くのモデルでリチウムイオンバッテリーが使用されており、基本的な注意事項は共通しています。バッテリーの性質をよく理解した上で正しく取り扱い、バッテリーの性能や寿命を維持し、安全に使用するようにしましょう。
【関連記事】
電動バイクや電動キックボードのメンテナンスってどうすればいいの?
道路運送車両法に「特定小型原動機付自転車」の保安基準が追加!改正内容を徹底解説
電動キックボード等に特定小型原付区分が新設:免許不要、ヘルメット任意に!
電動バイクや電動キックボードで自転車マークの上を走ってもいいの?普通自転車専用通行帯、自転車ナビマーク・自転車ナビラインについて解説
便利すぎる! もしあなたの毎日に、折りたためる電動バイクがあったら?
一覧へ戻る