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特定小型原付の中でも、「特例特定小型原付」の基準を満たす電動キックボードは、特定の標識・表示がある一部の歩道を走行することができ、その法定速度は6km/hとなっています。このほか、最高速度表示灯を点滅させるなども走行の際は必要です。
この記事では、こうした電動キックボードをはじめとする特定小型原付を安全に利用するために必要な条件について解説します。また、電動キックボード以外の歩道も走行できる、移動に便利な特定小型原付の乗り物をご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
電動キックボードは歩道走行できる?特定小型原付の要件を解説
街なかでよく見かけるようになった電動キックボード。車道や歩道を走っている姿を見かけることもありますよね。「果たして歩道走行って可能なんだったっけ?」と考えている方、こちらの条件をご確認ください。
- まず、特定小型原付であること!
- 特定小型原付のうち特例特定小型原付に切り替えられるものが歩道走行できる
- 歩道や路側帯を走行するときの最高速度は6km/h以下で
- 走行時には最高速度表示灯を点滅させる
- このほかの歩道走行時の要件を守る
まず、特定小型原付であること!
まず、電動キックボード=特定小型原付とは限りません。次の条件を満たすものが、特定小型原付となり、さらに特例特定小型原付に切り替えられることを原則として、歩道走行できます。
- 車体の大きさは、長さ190cm以下、幅60cm以下
- 原動機として、定格出力が0.60キロワット以下の電動機を用いること
- 時速20kmを超える速度を出せないこと
- 走行中に最高速度の設定を変更できないこと
- オートマチック・トランスミッション(AT)機構がとられていること
- 最高速度表示灯が備えられていること
そのうえで、次の条件を満たすことが必須です。
- 道路運送車両法上の保安基準に適合していること
- 自動車損害賠償責任保険(共済)の契約をしていること
- 標識(ナンバープレート)を取り付けていること
参考:特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について|特定小型原動機付自転車とは
関連記事:「電動キックボード(一般原付)で通勤は危ない?新しくなった法律や注意点も解説」
特定小型原付のうち特例特定小型原付に切り替えられるものが歩道走行できる
上の図をよく見てください。特定小型原付の下にある特例特定小型原付は最高速度6km/h以下というテキストは、歩道走行時の条件となっています。
特定小型原付の基準を満たしながら、特例特定小型原付にも切替可能であれば、歩道を走行できます。たとえば、ハンドル部分に切替ボタンなどがあって、そのボタンを押せば最高速度表示灯が緑色に点滅するというようなものです。
「特定小型原付は歩道も走れるんでしょ?」という質問がよくありますが、実際にはそうではありません。
特定小型原付と特例特定小型原付を切り替えて使える仕様の機体であれば、走行可能な歩道を走行前に一度止まってからモードを切り替えて特例特定小型原付として走行可能です。
関連記事:「特定小型原付、誤解したまま公道走行したらアウト! よくある7つの誤解を徹底解説」
歩道走行は、特定の標識・表示がある一部の歩道や路側帯を最高速度6km/h以下で
特例特定小型原付は歩道走行ができますが、歩道や路側帯を走行する場合は、以下のような専用の道路標識等があることが条件です。こちらの標識を確認したうえで走行してください。
出典:国土交通省の道路標識一覧30
走行時には最高速度表示灯を点滅させる
特例特定小型原付で歩道を走行する際には、最高速度表示灯を点滅させることが条件です。たとえば、次の車体は特定小型原付と特例小型原付の双方が搭載されており、歩道通行モード(6km/hの歩道可走行モード)にするとハンドル部分にあるライトが点滅します。
車体によって表示灯の位置は異なるので、購入前に確認しましょう。
また、購入前には車体に「性能等確認済み認定シール」が付いているかどうかも確認してください。このシールは、電動キックボードをはじめとする特定小型原付が保安基準を満たしていることを示すものとなっています。
このほかの歩道走行時の要件
このほか歩道走行時の要件として、政府が発表しているものは次のとおりです。
- 側車を付けていないこと。
- ブレーキが走行中容易に操作できる位置にあること。
- 鋭い突出部のないこと。
側車とは、オートバイなどの側面にもう一輪の車台を取り付けた三輪車のことです。側車を付けていると歩行者の妨げになるので、付けるのは厳禁です。
ブレーキの位置が低すぎたり、高すぎたりするとブレーキをかけるのが遅くなります。その結果、事故につながる恐れがあるので、適切な位置に取り付けましょう。
電動キックボードに鋭い突出部があると、すれ違いに人や物を傷つける恐れがあります。ハンドルやブレーキ、ペダル部分が鋭利なデザインではないことを確認しましょう。
参考:警視庁|特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について
そもそも電動キックボードとは?特定小型原付?
電動キックボードとは、モーターとバッテリーを搭載した自走可能なモビリティのことです。電動キックボードが必ずしも「特定小型原付」とは限らないことを上述でもお伝えしました。
2023年7月の法改正により、先にご紹介した条件を満たすものが「特定小型原付」として区分されることになりました。
関連記事:「電動キックボード等に特定小型原付区分が新設:免許不要、ヘルメットは努力義務に!」
特定小型原付に含まれない電動キックボードとは
図の基準を満たさない電動キックボードは、特定小型原付ではありません。
出典:警視庁の特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について
特定小型原付の基準を満たさない電動キックボードは「一般原付」となります。一般原付に乗る場合は、運転免許が必要です。
原付となる電動キックボードで、歩道走行をおこなった時点で法令違反となります。あくまでも新しい車両区分に適した車両に乗っていないと、特定小型原付の扱いにはなりませんので注意しましょう。
関連記事:電動キックボードの一部が免許不要に!速度制限など法改正のポイントを確認
一般原付の基準は主に以下のとおりです。
- 電動の乗り物に限らない
- 原付以上の免許が必要で、定格出力等により必要な免許証が変わる
- ヘルメット着用が必須
- 最高速度は時速30km
- 歩道や自転車道の走行不可
- ナンバープレートの取り付けが必要
- 自賠責保険加入が必要
上記の点をよく確認して、ご利用ください。
電動キックボードを購入するに当たっては特定小型原付の基準を満たしているかどうか、一般原付にあたるのかどうかをよく確認のうえ、ご検討ください。
参考:「政府広報オンライン|電動キックボードに関する交通ルールを確認しましょう!」
関連記事:「電動キックボード法改正!2023年7月1日からの新ルールを解説!」
電動キックボードだけじゃない!ちょっと移動したいときに便利な特定小型原付
10〜30代の若い人たちを中心に人気のちょっと移動したいときに便利な電動キックボード。じつは、電動キックボード以外にも「特定小型原付」に該当する乗り物はあります。
歩道モードに切り替えれば、歩道や路側帯を6km/hで走行できる特定小型原付の乗り物には、次のタイプがあります。
- 2輪タイプ(自転車型・バイク型)
- 3輪タイプ
- 4輪タイプ
いずれのタイプも座って乗ることができ、電動キックボードよりも安定感があることや長距離移動がしやすいメリットがあります。
2輪タイプ(自転車型・バイク型)
2輪タイプには自転車型とバイク型があり、特徴やおすすめ用途は次の通りです。
免許不要の電動バイク
glafitの特定小型原付『NFR-01Pro』は、16歳以上の学生さんからシニアの方まで幅広くご愛用いただける免許不要の、新しい乗り物です。
「車道/自転車道モード」と「歩道通行モード(特例特定小型原付)」の切り替えは、止まった状態で、ボタンを押すだけで切り替えができます。
出典:Makuake|【免許不要の原付】電動アシスト自転車を超えるglafitバイクNFR-01Pro
※こちら終了しました。ありがとうございました。
glafitでは、2024年5月30日までMakuakeサイトにてクラウドファンディングを実施中です。応援購入してくれた方にこちらの『NFR-01Pro』を提供しております。
実際に応援購入された方からは、こんな声が届いております。
「電動自転車でも辛くなってきたので、応援購入させていただきました。デザインも素敵で、到着を楽しみにしています」
「膝を怪我してしまい後遺症をもつ彼氏とお互い贈り合うことにしました。10年分の誕生日とクリスマスのプレゼントの代わりに、これで一緒に沢山出かけようという約束と共に!笑。ペダル漕がなくて良いと言う点がとてもありがたいです。これからも応援してます。到着を楽しみにしていますm(_ _」
「高齢に付き運転免許を返納して以来、外出が不自由となり困っていました。いろいろ検討した結果、NFR-01Proが良いかと思い購入することにしました。届くのを心待ちしています」
出典:【免許不要の原付】電動アシスト自転車を超えるglafitバイクNFR-01Pro|応援コメント
3輪タイプ
出典:atico
シニアの方にも嬉しい、安定の3輪タイプ。立ち乗りと座り乗りの両方に対応しており、籠の取り付けが可能なため、とても便利です。
4輪タイプ
出典:ELEMOs4
4輪タイプは、最も安定感があり、シニアの方にも安心です。
電動カートなので最高20km/hまで速度が出ます。特例特定小型原付の基準も満たしており、最高速度6km/hモードと常時点滅が必要な最高速度表示も搭載されているため、歩道走行も可能です。
まとめ
この記事では、電動キックボードの歩道走行時の条件・注意点について解説してきました。電動キックボードは必ずしも歩道走行できるわけではなく、特定小型原付の条件を満たしたうえで、特例特定小型原付に切り替えられる仕様のものでなければいけません。
また、電動キックボード以外にも特定小型原付の車両はあり、特例特定小型原付に切り替えられるものは歩道走行も可能です。その中でも免許不要の電動バイクをはじめ、シニアカーなどの4輪タイプや3輪タイプをご紹介しました。
電動キックボードとは異なり、座って乗ることができ、安定性もあるため、高齢の方にもおすすめです。安全に乗るためのルールをご確認のうえ、ご利用いただけたらと思います。
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