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電動キックボードや電動バイク、電動アシスト自転車など、電気の力を利用したモビリティは私たちの身近な存在になりました。
一方で「電動モビリティ」という言葉が指す範囲は広く、見た目が似ていても法律上の車両区分によって交通ルールは異なります。必要な免許や走行できる場所も同じではありません。
人口減少や高齢化を背景に、地域によっては日常生活に必要な移動手段の確保が課題となっています。さらに脱炭素への対応など、移動を取り巻く環境そのものにも変化があります。
この記事では、電動モビリティの意味や種類、交通ルールといった基本を押さえながら、現在の使われ方や新たに考えられている形まで紹介します。
電動モビリティとは?
「電動モビリティ」は、道路交通法上の車両区分を表す言葉ではありません。
一般には、モーターを動力として利用するさまざまな移動手段を広く指す言葉として使われています。身近なものでは、電動アシスト自転車や電動バイク、電動キックボードなどがあります。
ただし、「電動キックボードだから免許不要」「ペダルが付いているから自転車」と判断できるわけではありません。
電動キックボードでも、特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)の基準を満たさない車両は、別の車両区分として扱われます。また、ペダルが付いていてもモーターだけで走行できるペダル付き電動バイクは、一定の基準を満たした電動アシスト自転車とは法律上の扱いが異なります。警察庁も両者の違いについて注意喚起しています。
つまり「電動モビリティ」は、さまざまな乗り物を広く捉える言葉です。公道を走る際には、それぞれの車両区分を確認する必要があります。
種類によって異なる電動モビリティの交通ルール
公道で電動モビリティを利用するときは、法律上の車両区分によって適用されるルールが異なります。免許やヘルメット、ナンバープレート、自賠責保険のほか、通行できる場所にも違いがあります。
代表的なものとして、電動アシスト自転車、特定小型原付、一般原動機付自転車(以下、一般原付)を比較すると次のようになります。
電動アシスト自転車 特定小型原付 一般原付
運転免許 不要
不要 ※16歳未満は運転禁止 必要
ヘルメット 努力義務 努力義務 着用義務
主な通行場所 原則として車道の左側 原則として車道の左側 車道
ナンバープレート 不要 必要 必要
自賠責保険 不要 必要 必要
※実際に通行できる場所や条件は、車両区分や道路の状況、標識・標示などによって異なります。電動アシスト自転車は一定の場合に歩道を通行でき、特定小型原付も一定の要件を満たす特例特定小型原付で、標識等により認められた場合には歩道を通行できます。
交通ルールの詳細は、警察庁の情報も確認しておきましょう。
警察庁「特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について」
購入や利用の際は、商品名や見た目だけではなく、その車両がどの区分に該当するのかを確認することが大切です。
また、車両を選ぶ際には、走行距離や保管方法、主に利用する場所など、実際の使い方に関わる条件も確認しておきましょう。
移動手段があらためて問われている背景
電動モビリティが使われる場面を見ていくと、その背景には現在の「移動」を取り巻くさまざまな課題があります。
人口減少や高齢化に加え、公共交通では担い手不足も課題です。地域によっては、買い物や通院など日常生活に必要な移動手段の確保が難しくなっています。
こうした「交通空白」の解消に向け、国土交通省も取り組みを進めています。対象となるのは、地域住民の移動に関する「地域の足対策」と、来訪者の移動に関する「観光の足対策」です。2026年の取組方針では、両者を一体的に推進する方針が示されました。
環境面では、交通分野の脱炭素化に向けた取り組みも進んでいます。地域交通の利便性だけでなく、環境負荷も含めて移動手段を考える動きがあります。
もちろん、こうした課題を電動モビリティだけで解決できるわけではありません。鉄道やバス、タクシー、自動車や自転車などと同じように、地域や場面によって活用できる移動手段の一つです。
電動モビリティはどんな場面で使われている?
電動モビリティは個人の日常的な移動だけでなく、配送や営業・巡回などの業務でも使われています。glafitも、こうした活用に向けた取り組みを進めています。
参考:glafit及び セイノーグループ【地区宅便・日祐】、特定小型原動機付自転車を活用した次世代型配送オペレーションの実証を開始
車両を所有せず、必要なときに利用するシェアリングという使い方もあります。その一例が、特定小型原付を活用したマイクロシェアリングサービス「WANDERIDE」です。
WANDERIDEは、移動そのものを楽しみながら地域を巡る体験を提案しています。地域内を自由に巡れる移動手段として、二次交通の役割も担います。目的地へ着くことだけでなく、そこまでの移動も含めて地域を楽しむための使い方です。

WANDERIDEについて詳しくはこちら
電動モビリティの次の形も生まれている
さらに、現在の利用方法だけでなく、これまでとは異なる使い方を想定したモビリティも提案されています。
glafitは「Japan Mobility Show 2025(JMS2025)」で「NFR-T1 Pro⁺」「P.E.T.」「WAKUMOBI」の3つのコンセプトモデルを発表しました。

「Japan Mobility Show 2025」で発表した3つのコンセプトモデル。上から時計回りに「WAKUMOBI」「NFR-T1 Pro⁺」「P.E.T.」
それぞれ異なる利用シーンを想定し、車体の形だけでなく走行や利用を支える技術・機能にも工夫が盛り込まれています。たとえば、P.E.T.では買い物やアウトドア、デリバリーなどに対応するアレンジが提案されています。NFR-T1 Pro⁺にはアウトドアや工場内移動といった活用案があり、WAKUMOBIでは所有やシェアリングなど、利用シーン別のニーズや課題を検証しています。
個々のコンセプトモデルについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
あわせて読みたい:
「外出が減った」は危険信号? 知っておきたいフレイルとシニアモビリティの最新動向
まとめ
電動モビリティには、電動アシスト自転車や電動バイク、電動キックボードなど、さまざまな乗り物があります。公道で利用する際は、それぞれの車両区分と交通ルールを確認することが大切です。
一方で、現在の電動モビリティを見ていくと、その違いは車両の種類だけではありません。どこで・誰が・何のために使うのか。そうした利用のあり方も含めて、電動モビリティの形は変わりつつあります。
移動手段としての役割だけでなく、移動そのもののあり方にも、新しい選択肢が生まれています。
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