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KNOWLEDGE OF MOBILITY

モビリティの豆知識

6月の梅雨や台風のシーズンは雨の日が多く、電動バイクでの通勤・移動に不安を感じる方も多いでしょう。雨天時の道路は晴天時に比べて格段にリスクが高まります。この記事では、雨の日の電動バイクが危険な理由から、法律で禁止されている行為、やむを得ず走行する場合の注意点、雨天後のメンテナンス方法まで、安全対策を総合的にまとめています。

雨の時期に電動バイクの事故が増える理由

実際、雨天時の道路は晴天時に比べて格段にリスクが高まるとされています。こちらは車を対象とした調査になりますが、首都高速道路株式会社の調査によると、雨天時以外に比べ、雨天時の1時間あたりの死傷事故件数は約4倍となっています。路面が雨で濡れると滑りやすくなり、ブレーキをかけてから停止するまでの距離(制動距離)が伸びるため、雨の日は事故が起きやすい状態になるのです。

さらに大雨になるとドライバーの視界も悪化し、周囲の車や歩行者からこちらが見えにくくなります。こうした状況では、自転車や歩行者との不意の飛び出しによる接触事故の危険も増加します。

また、マンホールの蓋や白線などの舗装は雨で非常に滑りやすくなるため、晴れの日と同じ感覚で走ると転倒しやすいです。特に雨が降り始めの路面は、乾燥時に浮いた埃やオイルが水と混ざって一層滑りやすくなるとも言われています。

雨の日の電動バイクは危険が伴いますが、やむを得ず走行する場合の対策やポイントを押さえておくことで、リスクを最小限に抑えることが重要です。

雨の日に事故が多発しています(首都高速道路株式会社)

 

 

雨の日に禁止されている電動バイクの運転行為【法律・条例】

雨の日に限らず電動バイクで「やってはいけない運転行為」はいくつか存在しますが、特に雨の日にやりがちな危険行為について法律・条例面から確認しておきましょう。

なお、「特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)」と「一般原動機付自転車(いわゆる原付バイク)」は、いずれも道路交通法上「原動機付自転車」のカテゴリに含まれますが、それぞれ異なる区分として個別に定義されており、適用されるルールや罰則も一部異なります。

以下の表では、これらの区分に共通する「雨天時に特に注意すべき禁止行為」について整理しています。

雨の日の禁止行為一覧表

禁止行為罰則・罰金詳細
傘差し運転5万円以下の罰金片手運転で不安定、視界悪化。道路交通法施行細則で明確に禁止。
スマホながら運転安全運転義務違反2024年法改正で罰則強化。片手運転でブレーキ操作が困難。
泥はね運転反則金6,000円水たまりを高速通過し歩行者に泥水をかける行為。徐行義務あり。
大音量でのイヤホンの使用5万円以下の罰金 周囲の音が聞こえない状態での運転。雨音で更に危険度アップ。

傘差し運転は5万円以下の罰金

雨の日に片手でハンドルを操作し、もう一方の手で傘を差す行為は法律で禁止されています。各都道府県の道路交通法施行細則により「傘差し運転」は禁止行為とされており、違反すれば5万円以下の罰金が科されます。傘で視界が妨げられ、片手運転で不安定になるため大変危険です。

スマホのながら運転も禁止

スマートフォンを手に持って通話したり画面を見ながら運転することも禁止されています。2024年の法改正により、自転車・特定原付に乗車中のスマホ手持ち使用には罰則が設けられました。片手運転になりブレーキ操作も満足にできず非常に危険です。

泥はね運転違反にも注意

雨の日特有の禁止行為として「泥はね運転違反」があります。道路交通法第71条第1号では「ぬかるみや水たまりを通過する際は徐行する等して泥水等が他人にかからないようにすること」と定められており、これに反すると二輪車(バイク)の場合は反則金6,000円が科されます。

イヤホンの高音量使用も危険

雨音で周囲の音が聞こえにくいからと、イヤホンやヘッドホンで音楽を大音量で聞きながら運転するのも危険です。各都道府県の条例では「周囲の音が聞こえない状態での運転」は禁止されており、違反すると5万円以下の罰金となります。片耳イヤホンであっても音量次第では周囲の音が遮断されてしまいます。雨の日はただでさえ周囲の音や気配を感じにくいため、イヤホンは外して運転するのが安全策です。

 

以上のように、雨の日だからといって特別に許される行為はありません。傘差し運転やスマホ操作は厳禁であり、周囲への配慮も晴れの日以上に求められます。

 

 

雨の日に電動バイクに乗る際の注意点とリスク対策

やむを得ず雨の日に電動バイクに乗る場合は、普段以上に慎重な運転操作と心構えが求められます。ここでは主要な注意点とリスク対策をまとめました。

出発前の準備と判断

雨の日に出かける前には、まず天気予報のチェックをしましょう。大雨警報が出ているような時は走行を避けるのが賢明です。小雨程度でやむを得ず出発する場合は、ブレーキやライトが正常に作動するか点検し、タイヤの空気圧や溝も確認します。

速度とブレーキ操作

雨天時は「急」のつく動作(急発進・急加速・急ブレーキ・急ハンドル)を避け、なめらかに操作することが鉄則です。制動距離が晴天時より2m以上長くなるとも言われるので、いつも以上に余裕を持った減速を心がけましょう。

路面状況への警戒

マンホール蓋、白線、落ち葉、舗装の継ぎ目などは非常によく滑るので、可能な限り踏まないようライン取りします。また水たまりは中に穴や段差が隠れている恐れがあるため極力避けましょう。深い水たまりではハイドロプレーニング現象が起きる危険があるため、必ず徐行して通過してください。

視界確保と被視認性の向上

昼間でもライトを点け、反射材付きの装備で存在をアピールします。車の死角に入らないよう車両間距離と位置取りにも気を配りましょう。雨の日は歩行者や自転車も普段と違う動きをするため、特に減速して注意することが必要です。

 

 

雨天走行時の必須装備と準備

雨の日に電動バイクへ乗る際は、ライダー自身の装備も重要です。ここでは雨天走行に必要な装備を紹介します。

雨天走行時の装備チェックリスト

装備詳細ポイント
ヘルメット転倒リスクが高い雨天時は特に重要。シールド付きなら雨粒から目を守れる。曇り止めシート装着で視界クリア
レインスーツ(雨合羽)上下セパレート型の雨合羽。ポンチョ型よりも安全性が高く、両手でハンドル操作が可能。反射材付きや透湿性の高いモデルがおすすめ
防水グローブ手の濡れを防ぎ、滑りやすいハンドルやブレーキレバーをしっかりグリップできる。掌側に滑り止め加工があるバイク用がベスト
防水シューズ足元の濡れを防ぎ、ブレーキペダルや地面での滑りを防止する。靴底の溝がしっかりあるものを選ぶ
反射材・ライト雨天時は視界が悪化するため、被視認性を高める装備で存在をアピール。昼間でもライト点灯、LEDライト追加も効果的
タオル・曇り止めシールドの水滴や曇りを除去し、常にクリアな視界を維持するために必要。吸水性のよいものがおすすめ

ヘルメットと視界確保

ヘルメットは必ず着用しましょう(特定小型原付は努力義務ですが安全のため着用推奨)。フルフェイスタイプやシールド付きのヘルメットなら、雨粒から顔や目を守って視界を確保できます。

レインスーツ(雨合羽)

雨の日のライダーの基本装備は上下セットのレインウェアです。ポンチョ型よりもパンツ付きの上下セパレート型が望ましく、身体をしっかり覆って濡れにくいものを選びましょう。合羽を着用すれば両手が自由に使えるので、安全運転に集中できます。

防水グローブとシューズ

雨天時はハンドルやブレーキレバーが濡れて滑りやすくなるため、手を濡らさない防水手袋が必須です。足元も防水仕様のライディングシューズやシューズカバーで保護しましょう。

反射材・ライト類

雨の日はドライバーからライダーが見えにくくなるため、被視認性を高める工夫が大切です。明るい色のレインウェアを着る、体やバッグに反射材を付ける等で存在をアピールしましょう。

 

 

雨で濡れた後のメンテナンス方法

雨の中を走行した電動バイクは、帰宅後にしっかりとメンテナンスすることで長持ちさせることができます。

水分の除去が最優先

まず最初に、車体各部に付着した雨水を柔らかい布で丁寧に拭き取りましょう。特にバッテリー周りや電装部品のコネクタ部分に水滴が残らないよう入念に乾燥させます。電動バイクは水濡れによって電気系統のショートや感電の恐れがあります。

バッテリーの適切な処理

glafitの電動バイクの場合、バッテリーがワンタッチで脱着可能になっています。雨走行後はバイク本体からバッテリーを外し、室内で乾いた布で拭いて乾燥させると安心です。濡れた状態のバッテリーをすぐに充電するのは非常に危険です。

洗車時の注意点

泥汚れがひどい場合でも、**高圧洗浄機で勢いよく水をかけるのは厳禁**です。基本は**直射の水を避け、濡れた布で拭き取る程度に留める**のが安全です。特に車体の隙間から内部に水が浸入すると配線トラブルの原因となります。

製品安全情報マガジン Vol.453 5月28日号 「雨で濡れて起こる事故」 | 製品安全 | 製品評価技術基盤機構

 

 

特定小型原付モデルglafit「NFRシリーズ」の雨天時の特徴

glafitで販売している特定小型原付モデル「NFR-01 Pro」と「NFR-01 Lite」について、雨天時の注意点をまとめます。

基本的な防水性能

NFR-01シリーズは公道走行が可能な車両として必要な保安基準を全てクリアしています。配線のコネクター部にはシーリング処理がされ、バッテリーボックスも水が侵入しにくい構造です。ただし完全防水ではないため、豪雨時の走行は避けるべきです。

ブレーキとタイヤの特徴

NFR-01シリーズは前後にディスクブレーキを採用しており、リムブレーキを採用しているバイクに比べて雨の日でも比較的安定した制動力を発揮します。タイヤは14インチ径と比較的大きめサイズで、この太めのタイヤは路面との設置面積が広い設計となっています。

コンパクト設計のメリット

NFR-01シリーズは、全長1300mmという原付よりも小さいサイズで、ハンドルポストや足置きペダルを折りたたむことで、さらにコンパクトに収納できます。軽自動車の車幅にも収まる設計のため、マンションの玄関や室内など狭いスペースにも無理なく置くことが可能です。

また、大雨や台風時には車体ごと室内に持ち込んで保管できるため、雨ざらしによる劣化や故障リスクを避け、車体を長くきれいに保つことができます。

ただし、どのような性能を備えていても、雨天時の走行にはリスクが伴います。適切な安全運転とメンテナンスを行うことが大前提であり、可能な限り雨天時の走行は避けることをおすすめします。

glafit NFRシリーズ紹介ページ(企業ページ内)
保安基準適合性等が確認された特定小型原付の形式(国土交通省 PDF)

雨の日の電動バイクに関するQ&A

最後に、雨の日の電動バイク利用でよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1. 雨の日に電動バイクを走らせても大丈夫?

A1.小雨程度であれば基本的に走行可能ですが、豪雨や冠水レベルの状況では内部に水が侵入して故障するリスクがあります。普通の雨なら問題ありませんが、土砂降りの際は走行を避けることをおすすめします。

Q2. 完全防水ではないのですか?

A2.現状ほとんどの電動バイクは「生活防水レベル」であり、完全防水ではありません。日常の雨や水しぶき程度に耐えられる構造という意味です。豪雨時の走行や水たまりへの突入は控える、走行後はしっかり乾燥させる、といったケアが重要です。

Q3. 雨の日もヘルメットなしでOK?

A3.いいえ、雨の日に限らずヘルメットは着用しましょう。雨の日に限らずヘルメット着用を推奨しています。

Q4. 傘を差しながら乗りたいのですが?

A4.絶対にやめましょう。雨の日は必ずレインコートを着用し、傘は差さないようにしてください。

Q5. 雨で濡れた後の充電は大丈夫?

A5.濡れた直後の充電は避け、十分に乾燥させてから行いましょう。雨走行後の車体やバッテリーには見えないところに水分が残っており、その状態で充電するとショートし発熱・発火する恐れがあります。

 

まとめ

雨の時期の電動バイク利用は、晴天時と比べて格段にリスクが高まります。路面の滑りやすさ、視界の悪化、制動距離の延長など、様々な危険要因が重なるためです。

やむを得ず雨の日に走行する場合は、法律で禁止されている傘差し運転やスマホのながら運転はやめて、適切な装備と慎重な運転を心がけましょう。走行後は車体とバッテリーをしっかり乾燥させることも重要です。

電動バイクは通勤や街乗りに便利な移動手段ですが、安全第一で無理のない利用を心がけることが最も大切です。大雨や悪天候の日は、可能な限り他の交通手段を検討することをおすすめします。

 

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