目次
リチウムイオンバッテリーの特性
寒さに弱いリチウムイオンバッテリー
リチウムイオンバッテリーは、高いエネルギー密度と長い寿命を誇る一方で、寒さに弱いという特性を持っています。
冬場に電動モビリティの走行距離が減少するのは、この特性が影響しています。気温が低下すると電池内部の化学反応が鈍くなり電流の供給が不安定になるため、実際の走行距離が短くなるのです。
電動モビリティに限らず、リチウムイオンを使っているスマートフォンなども、冬季には電池の持ちが悪いと感じることがあると思います。
このように、リチウムイオンバッテリーは「寒さに弱い」という特性を理解しておきましょう。
冬場に走行距離が減る具体的な原因
低温環境での電解液の粘度と電流の流れの変化
冬場は、電解液の粘度が増すことにより、イオンの移動が遅くなります。これが電流のスムーズな流れを妨げ、電動モビリティの走行距離が短くなる主な原因です。
対策としては、使用前にバッテリーを室温で温めることが有効です。また、外気温が特に低い日には、走行前にバッテリーを取り外し、暖かい場所で一時的に置いておくことで、効果的にパフォーマンスを維持できることもあります。
バッテリーの内部温度をできるだけ一定に保つようにすると、安定した性能を引き出すことが可能です。これらの対策を習慣化することで、冬場でも電動モビリティの快適な使用が実現できるでしょう。
冬場は特にバッテリーの保管について気を付けておきましょう。
自然放電とバッテリー上がりのリスク
冬場はバイクに乗るのに寒いので長期間使用しない場合、自然放電が進行しバッテリー電圧が低下することがあります。これが進むと「バッテリー上がり」の状態になり、再充電が不可能になるリスクがあります。
定期的な充電と保管方法の工夫が必要です。
特に、冬場はバッテリーの自然放電が進みやすいため、仮に乗っていない場合でも1ヶ月に1度など定期的に充電を行い、バッテリー電圧を維持することが重要です。また、バッテリーを安全に保管するためには、極端な温度変化を避けることが求められます。
さらに、バッテリーの状態を定期的に確認し、必要に応じて充電サイクルを調整することで、バッテリーをよい状態で長く保つことができます。これにより、バイクに乗ろうとしたのに電池が無くなっていたということや、急に充電ができなくなってしまったというような動作不良を未然に防ぎ、快適なライディングが可能になります。
冬における電動モビリティの最適な保管方法
寒い場所でのバッテリー保護方法
寒い場所でのバッテリー保護には、バッテリーを取り外して室内で保管することが推奨されます。
室内の温度が20℃前後であれば、電解液の粘度が下がり、イオン移動が活発になるため、バッテリーの性能を保つことができます。
これにより、バッテリーの内部温度を一定に保ち、安定したパフォーマンスを実現することができます。また、バッテリーを長期間使用しない場合は、数週間に一度は充電を行い、自然放電による電圧低下を防ぐことが重要です。これらの対策を講じることで、寒い場所でも電動モビリティのバッテリーを安全かつ効果的に保護することが可能です。
充電と保管のベストプラクティス
冬場は、満充電状態での保管を避け、40〜60%の充電状態を保つとバッテリーの劣化を防ぎます。また、定期的に充電を行い、自然放電による電圧低下を防ぐことが重要です。特に長期間使用しない場合は、2〜3週間に一度は充電を行い、バッテリーの健康を維持しましょう。保管場所は、直射日光を避け、通気性の良い場所を選ぶことが望ましいです。さらに、バッテリーが熱を持ちすぎないようにするため、充電中は室温を保ち、過熱を防ぐ対策も推奨されます。これにより、バッテリーの安全性を高め、長期間にわたって安定したパフォーマンスを保つことができます。
快適な室内環境での電池性能の回復
一時的な動作低下からの回復方法
電動モビリティが一時的に動作低下した場合、まずは室温環境でしばらく置いておくことをお勧めします。これにより、電解液の粘度が正常に戻り、イオンの移動が活発化し、バッテリー性能が回復します。さらに、バッテリーの温度を安定させるために、使用前後の温度管理を徹底するとよいでしょう。
また、定期的にバッテリーの状態を確認し、走行しない時には室内で充電し保管するなどしていくことで、バッテリーのパフォーマンスを最適化することができます。これにより、電動モビリティの快適な使用を長期間にわたって維持することが可能です。
日常的にできるバッテリー寿命を延ばすティップス
バッテリー寿命を延ばすためには、定期的な充電サイクルの見直しや、過充電を避けることが有効です。
また、使用後は直射日光を避け、温度変化の少ない場所で保管するよう心掛けましょう。さらに、バッテリーの劣化を防ぐためには、冬場は特に頻繁に状態をチェックし、必要に応じて充電しておくことが効果的です。
またこの他に、落下による発火事故などを起こさないように丁寧な持ち運びをするなども心がけましょう。
これにより、バッテリーの寿命を延ばし、電動モビリティの性能を最大限に活用することができます。日常的にこれらの対策を実践することで、電動モビリティの使用をさらに快適に、そして効率的にできます。
まとめ
冬になると、これまで1回の充電で走行できていたはずの距離に届かず、満充電なはずなのにおかしいな?と思ったことはありませんか?
リチウムイオンバッテリーは寒さに弱いため、冬場にはこういったことが事象が発生することかあります。
まずは、バッテリーを室内で補完するなど寒さ対策を行うとよいでしょう。
また、しばらくは寒くて乗らないという場合も、必ず月に1度はバッテリーを満充電することも忘れないようにしましょう。
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